3-4.ワックスについて その4
4.いろいろな場合の手入れの方法
1.ホットワックスクリーニング
スキーが滑らなくなる理由の一つに、滑走面の汚れが上げられます。通常スキーをすると滑走面には雪上の汚れが付着します。それらの汚れを取り除くのがクリーニングという作業です。作業手順はいたって簡単で、前述した「基本的な手入れの仕方」と同じ手順です。ただし異なる点は、ワックスを塗った後すぐに(温かいうちに)削り取るということです。滑走面上の汚れを液体のワックスで浮かせて、汚れ後と削り取ってしまおうというわけです。汚れがひどいとき(春先の汚い雪や、土まみれの雪のときなど)はワックスリムーバーをキッチンペーパーなどにつけて拭き取ります。2.新しいスキーの手入れ方法
最近のスキーはどこのメーカーもストラクチャー加工がされていて、「仕上がった状態」で送られてきます。したがって滑走面に関してはあまり気にする必要は無いでしょう。しかし、サーモバッグ加工などを施していない場合は、何度もワックスを「塗りこむ」ことで板にワックスが「しみ込んだ」状態にすることができます。ピンク系のものから青系のものまで各種類のパラフィンワックスで前述の手順を3~5回繰り返します。こうすることで滑走性がよくなり、滑走中にワックスが消耗する度合いを小さくすることができます。
3.滑走面に傷がついたときに手入れ方法
滑走面の傷も、大きめなものはスキーの滑走性を低下させる原因の一つとなります。雪面との間の抵抗になるほか、傷の部分にブラシではかき出しきれないほどワックスがたまり、結果的に古いワックスが残ってしまうことになるからです。
滑走面の傷を治すためには、滑走面を削るしかありません。削る方法は2つあります。1つはサンドペーパーを使用して削ることです。サンドペーパーは何か平らなものに巻きつけ、スキーの先から後ろに向かってかけます。かけ終わった後はスクレーパーで毛羽たちを取り除き、クリーニングを行います。サンドペーパーの欠点は、平らに削るのが難しいことと、傷が深すぎると完全には修復するのが大変だということです。2つ目は、金属製のスクレーパーで滑走面自体を削り取る方法です。この場合もスキーの先から後ろに向かってかけ、スクレーパーで毛羽たちを取った後、クリーニング作業を行います。
傷は、小さい縦傷(滑走方向に沿った傷)であればあまり気にする必要はありません。専門店で滑走面を平らにし、ストラクチャーを入れなおす加工をしてくれます。自分で余計に手をかけるより専門店に依頼するのが良いと思います。
4.シーズンオフの手入れ方法
シーズンオフにはいる前にはスキーに保護ワックスを塗っておくことが大切です。スキーの酸化防止にもなりますし、少々の傷からも守ってくれます。クリーニング作業を行った後、紫系のパラフィンワックスを塗って常温で保存しましょう。
以上簡単にワックスのことを説明しました。手入れを行った後、スキーに乗ってみると、ワックス技術の重要性が体感でお分かりいただけると思います。スキーは恋人と同じくらい(それ以上?)大切にしなければなりません。これがとても重要です。