個人戦を終えて:加納
加納です。
皆様応援ありがとうございます。
私はスプリントとミドルに出場しましたが、目標の決勝出場には至りませんでした。
実はこの春から調子はあまりよくない状態が続いていて、合宿メニューもとにかくこなすだけで精一杯、特にスプリントは完全に練習不足ではあったので、この結果は体力面での実力どおりと感じています。
とはいえ自分のもうひとつの課題でもあったメンタル面では、今回は本当に普通に、オリエンテーリングができた、という実感です。ちょっと遠くの、日本のどこかの大学スプリントでもしているかのような、そんな普通の感覚で走ることが出来ました。
競技時間も短く、スピーディなレースなので、余計なことを考えてる暇もなかったのがよかったのかもしれません。
ミドルのスタートでも、他の選手でお互い仲がいいのか、ずっとおしゃべりしている様子をみていて、それが自分にとってリラックスになったりしました。
国際的なレースの場数を踏むことはまず大事です。それから、自分がそこでどう思い、どういう立場でいようかと考えること、そこを変えたことがここ最近の大きな変化だったと思っています。
前年のフランスではあまりにも難しいテレインだったこともあり、がんばろうとか、こいつには勝つとか、予選通るぞ、とか思う以前に、やれることしかできない、とある意味開き直ったのが良かったのだと思います。その延長で今年も、自分にできることしかできない、できることだけ確実にやる、という気持ちになれました。
ミドルのモデルイベントでは植生の対応がいまひとつ出来ず、アタックもはずしがちでかなり不安になっていたのですが、だったら歩測とコンパス、コンタでチェックする、実行を確実にして、わかる点からわかる点をつなぐ、という作戦にし、レースはひたすらそれを実行した感じでした。
レース後半になって、他の選手とも併走する場面が出てきたところで、アタックする人の流れをうまく捉えられ、中盤は実力以上にスムーズに走れたようです。
それでも、レース中は自分自身について、こんなペースではもうあかんやろうな、でも最後までは走りきろう、という感じでした。
後半のロングレッグで2回、アタックをはずしてしまいましたが、リロケートは確実に出来たのでそれ自体のロスはあまりなく、勘があたるというかラッキーというか、無意識に確実な情報処理をしているというか、調子のいいときというのはそういうものなのかもしれません。
最後のほうは日本のどこかの山を走ってるような感じで、コントロールでカメラフラッシュの攻撃にあい、だだっぴろい牧場にでて、ここスイスだったわ、というぐらいでした。
ゴールしてから、チームメイトに惜しかったね、あと1分だったよ、といわれて、マジで?あんなレースで?とほんとにおどろいた、というのが実感でした。もっと早く教えてくれればもっとまいたのに!(笑)
そのあとじわじわと、本当に惜しかったので、本当に悔しい、という気持ちになったのでした。
レース中、ついつい自分の心にひっかかってしまうのが、アタック→脱出の動作の遅さ、判断したのに動き出しが遅い、というもの。それと、伐採や岩石地での体のさばきのわるさ、などです。そういう部分でおなじようなレベルの選手と一緒にもたもたとなり、そんな自分にストレスがたまる、速い選手のパックに遭遇しても、ぱっと付いていけない。
そういうフィジカルな面でのレベルが、決勝を走るにはまだ1段低いんではないか、とは思っています。これは今後の課題として、対策を考えて練習できることでしょう。
そんなことに気づけるのも、他国の選手と競って走れたからこそかもしれません。