デフ選手に配慮した大会開催のお願い
各大会を開催される皆様へ
オリエンテーリングは、聞こえる選手とデフ選手とがほぼ対等に競い合える数少ないスポーツです。すでに、デフ選手が、大会に参加されています。さらに多くのデフ選手が大会に参加しやすいよう、デフ選手にもできる限り配慮した大会開催を行っていただくようお願いします。
具体的には、
1. 競技前後や競技中の選手への合図や誘導(案内)は音による情報伝達だけでなく、視覚による情報伝達を行うようお願いします。
2. プログラムからの急な変更事項は、公式掲示板に掲示をお願いします。
3. 表彰式では、デフ選手への配慮をお願いします。
4. 筆談具によるコミュニケーションの準備をお願いします。(救護所・本部)
例:スタートの合図について
スタート音だけでスタート時刻を知らせるのではなく、他の方法も利用する。
・方法例1:時計を選手に見えるように掲示する
・方法例2:スタートシグナルを選手に見えるように掲示する
・方法例3:ハンドサイン、旗によってスタートのタイミングを通知する
例:スタート地点での案内について
・方法例1:音声だけではなく、掲示により動作を誘導する
・方法例2:スタートを待機している選手に見えるように時計を掲示する
例:急なスタート時刻変更やバス時刻の変更の案内について
・方法例1:放送だけでなく、公式掲示板へ掲示する。
(競技終了後、会場から帰る輸送バス時刻変更が忘れられがちです)
例:表彰式の進め方について
・方法例1:表彰対象者が揃ったことを確認して表彰を開始する。
(放送で表彰対象者が名前を呼ばれても、デフ選手はこれに気づけない)
例:筆談によるコミュニケーション
・方法例1:筆談具を救護所、および、本部に準備する。
・方法例2:スマホの音声文字変換、あるいは筆談アプリで、伝えたいことを文字にして見せる。
東京2025デフリンピックに向けて
東京2025デフリンピックが2025年11月15日から11月26日の日程で開催されます。
そのビジョンのひとつが「“誰もが個性を活かし力を発揮できる”共生社会の実現」です。
聴こえる選手もデフ選手も公平な競技ができる共生の大会が普通になれば素晴らしいと思いませんか。
東京2025デフリンピックではオリエンテーリング競技が実施されます。この大会に向けて、デフ選手も数多くのオリエンテーリング大会に参加してきており、デフ選手が参加している大会はもはや珍しくありません。しかしながら現実はデフ選手に配慮した大会が少ないです。ほんの少しの工夫でオリエンテーリング大会はもっと素晴らしくなれます。
大会開催者の皆様のご協力をお願いいたします。
公益社団法人 日本オリエンテーリング協会
デフリンピック委員会 委員長 木村佳司